裁判傍聴(野村 俊介)
こんにちは。弁護士の野村です。
毎日暑い日が続きますね。多くの方がお盆休みあけ、といったところでしょうか。
8月は、裁判所には休廷期間といって"夏休み"のようなものがあります。
もちろん、裁判所が一斉に夏休みをとるわけではなく、休みは順々なので、裁判所全体が機能不全となるわけではありません。
そういうこともあって、弁護士からすると、8月であっても事件は進んでいきます。いつもより、少しゆっくりと。
そんな夏の期間、普段と少し違いを感じる場面、それは裁判傍聴者の人数です。
こころなしか、他の期間よりも裁判傍聴者が増えています。特に学生の方はよく見かけますね。試験後や夏休みの期間を使って裁判傍聴をしているのでしょうか。
そうした中で、先日、裁判傍聴の案内をしました。
横浜弁護士会では、法教育の一環として、裁判傍聴の申込みがあった場合に、弁護士が裁判傍聴の案内をしているのです。今回は、高校生の案内をしてきました。
多くの高校生にとってはもちろん、裁判なんて未知の世界。いきなり傍聴するよりも事前に説明を受けた方がわかりやすいでしょう。というわけで、裁判傍聴前に、裁判の手続について説明してから傍聴に行きます。
裁判には民事、刑事とありますが、裁判傍聴では刑事事件を傍聴します。
これは、刑事裁判のうち、被告人が犯罪を行ったことを認めている事件については、1回の期日で審理を終えることが多いので、裁判傍聴でだいたいの流れを目にすることができるのです。
被告人が犯罪を争っている事件については、期日が何回にもわたるので、そういう事件は何度も足を運ぶことになります。
民事事件は、どのような手続なのか、傍聴するだけではわかりづらいかもしれません。
そういうことで、刑事裁判について説明し、いざ裁判傍聴へ。
法廷では裁判官が手続を主導して行います。各手続について丁寧に説明してくれていたので、学生の方にも傍聴しやすかったようでした。
また、弁護人(被告人を弁護する弁護士のことを言います)の方の振る舞い等、私自身も興味深く傍聴させてもらいました。他の弁護士の裁判を傍聴する機会というのは、実はそれほど多くありません。
裁判が終わった後、学生の感想を聞いたり、質問を受けました。
やはり、見ると聞くとは大違いで、イメージと違ったようでした。
一般的な刑事事件なんて、自分たちの生活の身近にある事件もたくさんあるんですよね。また、そういった事件をテレビで見るのと、実際に法廷の中で聞くのとは、また違ったものだったのではないでしょうか。
裁判についての質問もあり、司法制度についての素朴な質問や、弁護士としての倫理に関する質問もありました。弁護士としてのマインドを少しでも伝えられていたら嬉しいですね。
こういった機会を積極的に利用してもらって、裁判や弁護士の仕事について、より身近になってもらえたら、と思います。
投稿者 小山法律事務所 | 2013年8月19日 22:00