殻を破る(弁護士 新井裕子)
前の日記で狩野弁護士が「ウサギも耳で敵を察知しなければ足を使う機会がない」というようなことを言っていましたが、
これを読んで私も思い出しました。
「卵の殻を破らねば 雛は生まれずに死んでいく 我らは雛だ 卵は世界だ 世界の殻を破らねば(以下略)」
・・どうかと思います。たしかに少女革命ウテナはアニメ史上に名を残す傑作ではありますが。
悔しかったら陸軍参謀に続き、海軍参謀、チャーチル、ジョブズ等の言葉を引用すべきなのはわかっています。本当にすいません。
しかしながら、そういう漫研出身の残念さはさておき、殻を破るというのは難しいことです。
前述の「少女革命ウテナ」という作品は、登場人物が毎回「世界を革命する」と言いながら、
毎回世界どころか自分の学校敷地を一歩も出ずに「決闘」というイニシエーションを繰り広げる一種比喩的な物語ですが、
そこに描かれているものは、剣戟に仮託された各登場人物の欲望や弱さ、葛藤に自分なりの落とし前をつけていく過程であり、
ここでいう「世界」というのは、ほかならぬ「自分」のことを指しているのだろうと思いました。
結局はそれぞれが「自分を革命する」という物語。
それほどに自分の殻を破るというのは難しいことであり、かつ重要なことなのです。
私も自分の人生を振り返ると、いろいろと殻を破ろうと試みてきたように思います。
・一人で焼肉屋・カラオケ等に入る(昔から平気)
・新たな趣味を増やそうとヒップホップダンスやタップダンスの体験講習に参加する(参加しただけ)
・体を鍛えようと思い立ち温水プールに通う(2回だけ)
・弁当を作る(最近また作っていない)
・いい加減CGをマスターしようとして描画ソフトとタブレットを入手(入手しただけ)
・一昨日急に走ろうと思い立った(思い立っただけ)
これだけ見ると何も破っていないかのようですが、私の初志は常に破られているようです。
放浪の果てに自分の殻を破ることもあるでしょうから、今後に期待いたします。
投稿者 小山法律事務所 | 2012年6月 9日 11:27