修習の記憶(弁護士 野村俊介)

 こんばんは。弁護士の野村です。

 前回は地元のお話をしましたが、今回は地元以外のお話を。
 生まれも育ちも神奈川県の私ですが、しばらくの間大阪に住んでいた期間があります。それは、司法修習です。

 法律家になるためには、司法試験に合格した後、司法修習を行います。
 司法修習では、簡潔に言えば、裁判官、検察官、弁護士のもとで事件を扱いながら実務家になるトレーニングをします。
 司法試験合格者は、全国の各都道府県に散って、それぞれトレーニング期間を過ごすわけです。

 私は、何の縁か、大阪に行くことに決まりました。それ以前に大阪どころか関西に住んでいたこともありません。

 大阪といえば、テレビでもよく見るように、皆が強い個性を持っているイメージがありました。当初は、これは負けていられない、と身構えていましたが、修習はじめの自己紹介から、「とりあえず笑いは一つだけでいいから」と言われたときには、アウェイの洗礼、いえ大阪らしさを初めから味わったものでした。

 ただ、意外と言ってはなんですが、実際友人と付き合ってみるとそういうわけでもありません。個性が強いというイメージとは違って、皆が会話を楽しもうとしているのかな、という印象に変わっていきました。
 この辺が関東と関西の文化の違いなのでしょうか。慣れてくると心地よいものです。
今思えば、修習期間に実務を学ぶだけでなく、こういった経験ができたことは貴重な経験だったと感じています。

 仕事柄、笑いよりも厳しさが求められることも多いですが、「とりあえず一笑い」の気持ちは忘れずにいたいものです。



投稿者 小山法律事務所 | 2012年5月23日 20:00

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