福島レポート④ (弁護士 小山治郎)
平成24年5月26日、福島原発4号機の建屋内が初めて報道陣に公開された。4号機は、1号機から3号機までと違い、事故当時原子炉は休止中だったが、原発約3基分の燃料棒がプールに入っている状態だった。もし、このプールの冷却装置が余震等で故障したら、チェルノブイリ以上の放射線量が拡散すると予想されていた(なお、今回の事故の拡散放射線量はチェルノブイリの17%)。先日のサミットでも、4号機の状態が話題に上がったと聞く。また一部学者から4号機の深刻性が指摘されていた。
今回テレビで報道された4号機の建屋内は、改めて水素爆発の威力を思い知らせるものであった。プールの屋根もなく、高線量のため瓦礫の撤去は進んでいない。
しかし、4号機の状態が公開されたことは、無用な不安を払拭する意義があったと思う。来年12月までに1500本あまりの燃料棒取り出し作業が始まる予定であるが、それに向けて瓦礫の撤去が順調に進むことを祈るとともに、高線量の中で作業する人たちの犠牲的精神に敬意を表したいと思う。
投稿者 小山法律事務所 | 2012年5月28日 10:00