法律Q&A

私は2か月前に離婚し、17歳の長男と借家に住んでいます。別れた前夫は、住宅ローンを組んでいましたが、返済できなくきなって先日競売されました。ところが、金融機関から私に約1000万円の保証債務を履行するよう請求が来ました。私は夫の住宅ローンの保証人になっていましたが、離婚したのでもう保証人ではないと思っていました。

[離婚]

<ご回答>

保証債務は貴方と債権者(金融機関)との契約ですから、離婚しても保証債務は残ります。ご長男を抱えて1000万円もの債務を返済することはまず無理だと思いますので、貴方が破産申立を考えているのも理解できます。しかし破産申立をした場合、解約返戻金200万円の内、自由財産の拡張として認められる部分を除いて破産裁判所に取られると思います。

 しかし金融機関は、競売して残債務がある場合、当然に保証人等に請求しますが、回収できることはあまり期待していません。おそらく残った約1000万円の債権をサービサーというところに格安で売却します。そしてそのサービサーが貴方の所に来て、分割でもいいから少しずつ支払くださいと言うと思います。その場合、貴方は誠意を示していくらかずつでも支払えばよいのです。ご長男は現在17歳ですから、20歳になったら学資保険は満期になると思います。そこで保険金を入学金等に使った後、貴方は破産申立をすればよいのです。

 日本の住宅ローンシステムは債権者(金融機関)を保護しすぎていると思います。住宅を処分して自宅を失った者に対してさらに残債務を返済しろというのはあまりに酷です。金融機関も住宅価格下落のリスクを負担すべきです。米国の住宅ローンシステムは、債務者は住宅を処分した場合残債務の返済義務を負いません(ノンリコースローン)。この点を考慮すれば、住宅ローンの残債務で破産申立をする場合、上記のように工夫しても財産隠しとして非難されるべきではないと思います。もっとも住宅ローンの残債務以外に消費者金融等からの債務もある場合は別です。

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