私は賃貸アパートに住んでいますが、家賃が2ヶ月分遅滞しています。先日大家さんから立退を求める請求が届きました。確かに契約書によると、「家賃の支払が2ヶ月分以上滞納したときには、貸主は借主に対し、賃貸借契約を解除し本件住宅の明け渡しを請求することができます」とあります。しかし、すぐに引越すだけのお金がなく困っています。
[借家]
<ご回答>
賃貸借契約書にそのような定めがあったからといって、貴方は必ずしも立ち退かなければならないわけではありません。判例によれば、賃貸借契約の解除 は、貸主と借主の間の信頼関係が失われていない限りできないとされています。信頼関係が失われている場合に当たるか否かは、貸主と借主の人間関係ではな く、家賃の支払等の状況も含めた客観的な事情によって判断されます。
そして、家賃の遅滞については、普通5か月から6か月程度の遅滞があって初めて信頼関係が失われたと判断されます(もっとも、それ以前から長年の遅 滞状況が続いていたような時は、それよりも短い3か月程度の遅れでも、信頼関係が失われたと認められ、賃貸借契約の解除及びアパートの明渡請求が認められ てしまうこともあります)。
したがって、貴方のような場合であっても、通常はすぐに出て行かなければならないということにはならないはずです。訴訟を起こされたとしても、貸主側と和解が成立し明渡しを免れる余地は十分にあります。
詳しくは当事務所までご相談下さい。