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私の家の隣は空き家ですが、大きな木の枝が私の敷地に負いかぶさるように越境していて非常に迷惑を受けています。越境している部分の枝を切り取ってもらいたいのですが、空き家の所有者の所在がわかりません。何か良い方法はないでしょうか。

質問者

空き家の所有者の所在が不明とのことですが、まず空き家の敷地の登記簿謄本を入手して敷地の所有者を確認すべきです。登記簿謄本は誰でも閲覧・謄写できますので、敷地の登記名義人の氏名、住所は一応判明します。そして次に登記名義人に手紙を書き事情を説明し、本件枝の切除を請求すべきです。しかし、登記名義人はすでに死亡していて、返事をもらえない場合もあります。また相続人が本件敷地につき相続登記をしていなければ、所有者の所在が不明といえます。このような場合、従来であれば、弁護士等専門家に依頼し、相続人を調査することが考えられます。しかしこの度民法が改正されまして、以下のいずれかの要件を満たした時は、越境された土地所有者は、越境した枝を自ら切ることができるとされました(改正民法233条3項)。

 

すなわち①竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内(基本的には2週間程度)に切除しないとき、②竹木の所有者を知ることができず又はその所在を知ることができないとき、又は③急迫の事情があるとき、のいずれかの要件を満たした時です。

 

現行法の下では、専門家に依頼して竹木の所有者が判明したとしても、当該所有者が切除請求に応じなければ、訴訟を提起し、勝訴の上、強制執行しなければならなかったのですが、改正民法では、上記いずれかの要件を満たす場合は、竹木の枝の越境で迷惑を受けている土地の所有者は、裁判をすることなく自ら当該枝を切除することができるようになったのです。

 

近年空き家の増加が社会問題になり、このようなケースが増えているため民法改正で手当されたものです。ちなみに空き家の敷地の相続人が複数に及び、全員の所在がつかめないことはよくありますので、複数の共有者の1人に枝の切除を求めることができることになりました(改正民法233条2項)。したがって共有者の1人の承諾を得れば、越境された側の土地の所有者は、その共有者に代わって枝を切除できると解されます。

 

なお改正民法は昨年成立していますが、施行は令和5年4月1日からです。

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