法律Q&A

私の父は半年前に亡くなりました。長男である兄と長女の私、そして次男の弟が相続人です。母は3年前に死亡しています。めぼしい遺産は、実家の土地建物だけで、兄と家族が住んでいます。遺産分割では、3人が協議して、兄が土地建物を取得し、私と弟に兄が500万円ずつの代償金を支払うことになりました。しかし、いざ土地建物の登記名義を兄に移転するとき、弟は登記識別情報通知書(昔の権利証)を持っているのに私は持っていませんでした。私が土地建物の名義を兄に移転するにはどうしたらよいでしょうか。

[公証人による本人確認]

<ご回答>

本件で相続登記を申請したのは弟さんで、弟さんだけが登記識別情報通知書を持っているのだと思います。

 本来不動産登記を申請するときは、登記をすることによって権利を失う人(登記義務者)と権利を取得する人(登記権利者)が共同で申請します。そして申請した登記権利者に登記識別情報通知書が交付されます。しかし相続登記では登記義務者は故人ですから共同申請はできません。そこで、相続人だけで申請できます。しかも個々の相続人が単独でできます。本件では、弟さんが単独で相続登記の申請をし、土地建物につき、お兄さんと貴女、そして弟さんがそれぞれ3分の1の持ち分を取得したものとして相続登記されます。そして相続登記を申請したのは弟さんだけですから、弟さんだけに登記識別情報通知書が交付されます(不動産登記法21条)。本件で、弟さんが相続登記を申請するとき、貴女も一緒に申請人になっていれば貴女にも登記識別情報通知書が交付されたはずです。

 登記識別情報通知書を紛失したり、本件のように元々交付されていない場合、本人確認の方法として、登記を代理申請する司法書士さんに本人確認してもらう方法と、公証人に本人確認してもらう方法があります(不動産登記法23条4項)。そして司法書士さんに本人確認してもらうと通常5万円取られますが、公証人に本人確認してもらう場合は一律3500円です。是非公証人本人確認してもらうべきです。公証人に依頼するとき持参すべきものは、実印、印鑑証明書、免許証などの写真付き身分証明書、そして、当該登記を担当する司法書士への委任状です。もちろん委任状の用紙はその司法書士が用意してくれます。その委任状に公証人が貴女本人であることを確認して、認証文を付けてくれます。それで遺産分割の登記ができます。

ページの先頭へ戻る