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父が先日亡くなりました。

遺産の内容は、土地建物2000万円(小規模宅地の特例適用後)、現金預金3600万円です。また、父は私を受取人とする5000万円の生命保険に加入していました。

法定相続人は母と私だけで、父には兄弟が3人います。遺産分割について、私は相続を放棄しようと思っています。そうすれば相続人が叔父さんたちと母とで4人になります。

そこでご質問ですが、私が相続を放棄した場合(1)相続税の基礎控除額は増えるでしょうか。(2)私に相続税がかかるでしょうか。また(3)一番節税となる分割方法を教えてください。

質問者

(1)相続税の基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の数、で計算されます。しかしここにおける法定相続人の数とは、相続放棄があった場合は、その放棄がなかったものとした場合における相続人の数とされています(相続税法15条1項)。したがって、貴方が放棄をしてもしなくても基礎控除額算定上の法定相続人の数は不変です。すなわち貴方が相続放棄しても基礎控除額は3000万円+600万円×2=4200万円で、増えることはありません。

 

(2)貴方が相続放棄した場合、貴方は最初から相続人でなかったことになります(民法939条)。しかし貴方は5000万円の生命保険を受け取っています。そして、相続を契機として生命保険を受け取った場合、相続人でなくても、遺贈されたものとみなされます(相続税法3条1項1号)。

したがいまして、貴方は相続を放棄しても5000万円を遺贈されたものとして相続税がかかります。

 

(3)貴方が相続を放棄すると、放棄しない場合よりも相続税は高くなります。

生命保険金は「みなし財産」として相続税がかかりますが、一方、法定相続人1人当たり500万円が「非課税財産」とされます(同12条1項5号)。しかし「非課税財産」を享受できるのは「相続人」でなければなりません(同上)。すなわち貴方が相続を放棄しなければ500万円×2=1000万円を生命保険金5000万円から控除できるのですが、放棄したら5000万円全額に課税されるのです。

そこで、最善の方法は、貴方が相続放棄をせずに生命保険金を受領し、上記遺産は全てお母さんが取得する内容の遺産分割をすることです。お母さんは、配偶者の税額控除を受けられますので相続税はかかりません。貴方は5000万円-500万円×2=4000万円につき相続税が課税されるだけです。本件では、貴方の納税額は630万円ほどになります。

なお、生命保険金は民法上遺産ではありませんので、遺産分割協議書上、貴方の相続分はゼロですが、相続放棄ではありませんので非課税財産の控除は受けられるのです。

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