福島レポート⑪ (弁護士 小山治郎)

 東海原子力発電所は、1966年(昭和41年)に営業運転を開始し、1998年(平成10年)に運転を廃止しました。それから解体作業が始まり23年かけて2020年に解体作業が終了する予定です。しかし、解体作業が終了しても、高レベル放射性廃棄物の恒久処理・隔離・管理については、300年から400年もかけて行わなければならないのです。完全に放射性廃棄物の処理をするには数万年かかるとも言われています。

 もし原子炉の営業運転廃止後の管理費用まで発電費用に計上すれば原発は決して他のエネルギー源と比べて安くないことは明らかです。

 現在、政府は2030年までに原発依存度をどの程度にするか国民から意見を聞く手続を行っていますが、財界はその3案全てに反対であると主張しています。理由は経済成長との関係からです。

 私も経済成長や雇用の維持は非常に重要だと思いますが、赤字国債の大量発行が子孫に負担を強いることになり問題であるように、原発を沢山作り放射性廃棄物の処理管理を後世代の負担とするのは、それ以上に問題だと思います。

 また福島県飯舘村の長泥地区は、先日帰宅困難地域に指定され、今後少なくとも5年間は帰宅できないのであります。年間放射線量が50ミリシーベルトを超えているからです。このような負担を経済界は心底理解しているか疑問です。

 原発問題については、現在の経済状況だけを考慮して決めるのではなく、後々の世代への影響も考えて判断すべきだと思います。



投稿者 小山法律事務所 | 2012年7月16日 16:00

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